桃のつぶやき 九月号
桃の樹では、もう来春の開花に向けてツボミを作って準備をしています。
桃の花芽分化は七月にはもう始まっています。
桃のツボミでは、がく片、花弁、雄ずい、心皮などが形成されています。そして、
秋には寒さを乗り切るため「越冬芽」という芽にツボミを包み込みます。
「越冬芽」の中には、開花を阻害するアブシジン酸(ABA)という物質が多く含ま
れています。ですから、秋に春の暖かさを与えても開花はしません。
アブシジン酸は、低温 冬の寒さを感じると分解されてなくなるのです。一方、春
暖かくなるとツボミの中にジベレリンという開花を促進する物質の量が増えて来ます。
そして、いっせいに開花するのです。
桃の樹も、春に「ひと花咲かせる」ためには、冬のきびしい寒さを通過しなければ
なりません。
私たち桃栽培者も、九月の初めには来年に向けてのスタートを切ります。
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